自己破産を決意するまで
私は30歳の未婚男性です。
働いていた会社の経営が悪化して整理解雇されたため、3年前から,カードで借金をして生活費の穴埋めをしていました。
無職の期間が半年ほどありましたので,家賃や食費の出費だけでも,かなりの借金になりました。
再就職したあと,私の収入は月15万くらいなのに、借金の利息の返済だけで毎月7万円を払っていました。
借金の利息を返済したあと,私の手元には8万円しか残りません。
これでは生活できませんので,さらに,消費者金融から借金をすることになってしまいました。
気がついたときには,3年間で,借金が400万円にまでふくれあがっていました。
この3年間,支払に遅れたことは一度もなく,毎月,きちんと利息は返済しているのですが,借金は全く減らず,増える一方なのです。
自分なりに一生懸命働いて生活をしていただけなのに,なぜか,気がついたら,借金を返すだけの人生になっていまっていたのです。
家で寝る前に
「僕は,これから一生、借金の返済をするためだけに生きていくんだろうか?」と考えると,暗い気持ちになりました。
このままではいけないと思った私は、借金をなんとか整理しようと考えるようになりました。
弁護士に電話で自己破産の相談
インターネットを調べると,遠くの弁護士よりも,地元の弁護士に相談をするとよさそうでした。
調べることはすぐにできましたが,実際に,弁護士さんに相談するには,大変に勇気のいることでした。
借金の整理を相談したら怒られないだろうか,とか,費用が高くて払えないのではないだろうか,とか,お金を貸してくれた人が悪く思わないかとか,いろいろなことを考えてしまいました。
半年くらい,弁護士に相談するかしないか,考えました。
そのうえで,ある日,朝起きた勢いで,インターネットで前々から相談しようと思っていた弁護士に電話をしました。
電話では,いくつか質問されましたが、割に気軽な印象でした。
質問は,「全部で何件借入がありますか?」
「借金の金額は,全部でいくらになりますか?」
というような内容でしたので,私にも応えられました。
借入の件数については,多すぎて,6件だったのか7件だったかのか明確におぼえていませんでしたが,おおまかな件数がわかればよい,とのことでした。
電話での借金の相談をした結果
「自己破産の手続をするとよいと思います」
とのことでしたので,さっそく,予約をしてもらって,弁護士さんの事務所で話をきいてもらいました。
そうしたところ,自己破産の手続を弁護士に依頼した場合には,今後は,カード会社や消費者金融からの返済の催促の電話,郵便,というものがこなくなるということがわかりました。
これは,私には,とてもありがたいことでした。
今まで,月末になると,カード会社からの「返済はいつになりますか?」という電話が,とても苦痛だったのです。
弁護士に自己破産を依頼した後
弁護士に正式に依頼してからは,借金の返済の催促もなくなり,心の落ち着く日々を過ごすことができました。
破産手続は,月に2回ほど,弁護士の事務所で書類を渡したり,破産をするまでの出来事の事情を話したりするものでした。
仕事の休みさえとれれば,それほど難しいものではありませんでした。
破産の申立をするまでの期間は,3か月程度でした。
その間,借金の返済の催促もありませんので,とくに3か月という期間が長かったとも思いません。
弁護士に依頼した場合には,裁判所との交渉も全て弁護士がしてくれるので,私の方は,裁判所にも,とくに行かずにすみました。
「破産の申立ができました」
という弁護士からの報告を電話で聞いたときに,一仕事終えたような気分で,ほっとしました。
破産の申立をしてから,3か月後には,免責の決定というものを裁判所からいただくことができました。
免責の決定というものをいただくと,法律的に借金が全くゼロになったということのようです。
住民税などの税金だけは残りますが,借金の重みのない生活というものは,こんなに気楽なのか,と思いました。
朝に目が覚めたときにも,借金のことを考えなくてよいので,とても,気分が良いものです。
自己破産をする前は,自己破産をしてしまったら怖いことにならないだろうか,という恐怖がありました。
しかし,実際に自己破産手続をしてみたら,会社にバレることもないですし,遠くに住んでいる家族にバレるということも,とくになかったので,なにも悩むことはありませんでした。
今思えば、もっと早く破産すればよかったかな?とも思うくらいです。
なぜ破産をするまで,返せるはずのない借金の利息をずっと返済していたのか,不思議に思うほどです。
今では、もう借金の返済を気にする必要もなく、月末の借金の催促の電話におびえる必要もない生活ができています。
あのとき、自己破産の電話相談を決意した自分の判断が、今の自分の幸せにつながっていると思うのです。